みずきさんちのてっぽう事情

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自己流シム調整

みなさん、シム調整ってどうやってます?

 

電動ガンの調整の中でもチャンバーに次いでシビアで面倒臭い作業ですが、きちんと調節してやればギヤ鳴きを抑えたり、バッテリーの持ちが良くなったりと良いことずくめです。(あと愛着度が増すとか)

マルイのギヤに付いてくる説明書ではシムの枚数がきちんと決められています。

東京マルイ奨励値

しかしこの通りにやると非常に残念な結果になっちゃいます。

  ・セクターギヤ: 遊びが大きくてタペットプレートを動かすピンがメカボックスに接触する
  ・スパーギヤ:  思いっ切りキツい
  ・ベベルギヤ:  寸法がドンピシャで微妙にキツい

 

全然ダメじゃん♪
結局のところ自分で頑張るしか無いってワケです。

 

調整方法はネットで検索すればそれこそ星の数ほど見つかります。大抵はスパーギヤを基準にする方法か、ベベルギヤを基準にする方法のどちらかになると思いますが、みずきは別の方法でやっています。

 

そのやり方は 「ギヤの寸法から理論値で決める方法」 です。
ギヤとメカボックスの寸法を測って、そこから歯の噛み合わせやギヤ同士のクリアランスを計算で割り出してシムの厚みや枚数を決めていきます。

 

マルイ純正Ver2メカボックスで説明すると、まず最初に各ギヤの寸法を測ります。(セクターギヤのピストンと噛み合うギヤは無視していいです)

セクターギヤ寸法
スパーギヤ寸法
ベベルギヤ寸法

次にギヤ同士で噛み合う部分の厚みを照らし合わせます。
スパーギヤとベベルギヤの場合、スパーギヤ側が2.0mm、ベベルギヤ側が2.6mmとなります。

ベベル・スパー噛み合い

両ギヤの下側をツライチにするとギヤ側面のクリアランスが0.6mmになるので、スパーギヤを0.2~0.3mm 上げてやれば、ギヤ同士のクリアランスを残しつつ、歯の中央付近で噛み合うようになります。(端の方で噛み合うとギヤの歯が欠けやすくなる)

 

同じようにしてセクターギヤとスパーギヤを照らし合わせます。

セクター・スパー噛み合い

下側をツライチにするとギヤ同士のクリアランスが0.2mm、噛み合うギヤの幅が2.0mmと良い塩梅なのでこちらは上下調整はしないでこのまま行きます。

 

とりあえずここまでで3枚のギヤの位置関係が決まりました。あとはこの関係を保ったまま、まとめて上げるか下げるかしてやればOKですが、その上下のサジ加減はベベルギヤで決まります。

 

ベベルギアはモーター下の調整ネジで微調整できるとはいえ、ピニオンギヤとの噛み合いがきちんと合っていないとギヤノイズが出てしまいます。
(ギヤノイズの大半はここから出る音なので最重要ポイントです)

 

この部分の調整についてはベベルギヤを基準にする方法と同じ手法でいきます。
上側のメカボックスにベベルギヤ、グリップ、モーターのみを取り付けて、グリップの底の調整ネジでベベルギヤとピニオンギヤがちょうどピッタリ噛み合う位置に調整します。

ベベル・ピニオン噛み合い

ピニオンギヤの位置出しができたら、今度はそれにベベルギヤの高さを合わせます。上下のメカボックスにベベルギヤだけ取り付けた状態でネジを締め、グリップとモーターを組み付けて、ベベルギヤとピニオンギヤとの隙間(遊び?)を確認します。

 

隙間が大きければベベルギヤの上側(大径ギヤ側)に0.15mmシムを1枚ずつ足していって、やや大きめ(0.3mmくらい?)にカタカタする状態にします。当然何度もバラしたり組み上げたりするので面倒で根気のいる作業になります。

(全く揺れないのはキツ過ぎでギヤ鳴き確定です。あと説明の中でギヤの上とか下とか言ってますが、メカボックスはメンテの最中は銃を構えた時に右側面になる側を上にして置くことが多いので、一般的に右側面の側を上、反対に左側面の側を下と呼びます)

 

今回は0.15mmシム2枚にすると遊びがほとんど無くなったので、0.15mmシム1枚にしました。ベベルギヤの下側についてはあとで調整します。

 

ベベルギヤの上側のシムが決まりましたので必然的に他2枚のギヤ位置も確定します。後はメカボックスの内幅に合わせてシムを選んでやるだけです。

 

マルイの奨励値だとベベルギヤがぴったり過ぎることから、メカボックスの内幅はおよそ13.15mmということが分かっていますが、ここで重要なのが各ギヤの厚さ(歯の部分+軸スペーサーの厚み)です。ギヤの寸法図を見ると分かるのですが、なんとギヤによって違うんですよね。なんでよマルイさん。
(その後、精度の高い計測器具で測ったところ、上下の軸受け間の内寸は13.12mmでした)

  ・セクターギヤ: 12.3mm
  ・スパーギヤ:  12.1mm
  ・ベベルギヤ:  12.5mm

なので、この寸法に

  ・ベベルギヤは他のギヤよりも0.3mm程度下げる
  ・セクターギヤとスパーギヤの下側はツライチ
  ・ギヤ+シムの寸法を13.10mmに近付ける(越えてはダメ)
  ・ベベルギヤの上側のシムは0.15mm
  ・セクターギヤの上側のシムは0.3mm以上ないとメカボックスに接触する

の条件を加味して計算すると、理論値では各ギヤの上下のシムの厚さはこうなります。(本体必要ないけどベベルギヤ下側にもシム入れてみました)

  ・セクターギヤ: 上 0.3mm 下 0.5mm
  ・スパーギヤ:  上 0.5mm 下 0.5mm
  ・ベベルギヤ:  上 0.15mm 下 0.3mm+0.15mm

しかし、これを実際に組んでネジをきちんと締めてみるとベベルギヤが微妙に渋いので、下側の 0.15 mm 1枚を抜いて、最終的には概ね目論見通りの数値になりました。

  ・セクターギヤ: 上 0.3mm 下 0.5mm
  ・スパーギヤ:  上 0.5mm 下 0.5mm
  ・ベベルギヤ:  上 0.15mm 下 0.3mm

ギヤを指で回すと小気味良くシャララ~と回ります。

(追記)
ベベル下側はシム無しでもいいです。モーターが回るとピニオンに弾かれて上側のメカボックスに押し付けられる形になるので下側のシムはほぼ意味無くなります。

 

寸法を測ったり計算したりと面倒ですが、カンと経験だけでやる方法に比べて、かなり精度の高いシム設定にすることができます。今後は中華ガンも含めてこの方法でやっていこうと思います。