東京マルイ P-90 流速カスタム 4
ガッツリ下がった初速はスプリングを強化すれば簡単に稼げるけど、それじゃ面白くない、ってことでもうちょっとあがいてみます。
まずはピストンの重量を増加させて、慣性力を高めて押し負けないようにしてみます。それにピストン重量が重いほうが外乱要素の影響を受け難くなるので、今よりもさらに初速が安定するようになるはず。(もう予想どころただの妄想かも)
使うアイテムは、
・ZC LEOPARD 強化ピストン フルスチール14枚
・Dream Army アルミピストンヘッド
を組み合わせます。
メーカー揃ってないのは手持ちの在庫の関係。
で、今までみたいにポン付けして終了かと思いきや、意外とこいつら問題児でやんの。
まずこいつ。
SHS製なんかと比べるとバリが少なくて作りが綺麗。ラックギアは14枚で、後ろから2枚目が最初から無し。ん~分かってるぅ!材質は見た目と加工した感触からABSっぽい。寸法ははマルイ製と全く一緒で、全長 66.6 mm、外径 19.7 mm。
(追記)
SHSの14枚や15枚の全金属歯ピストンは全長 67.5 mm とちょっと長い。ピストン後端にある金属歯を保持するブリッジの部分が長いのだが、それが原因でフルストロークで引いた時に底突きしてしまい、異音・ピストンロック・ピストン割れを起こすことがある。(セクターギヤを1枚カットすれば回避可能)
他にACE1ARMS、CNC Productionの全金属歯モデルも同様に全長が長い。ZC LEOPARD、ライラクス、J-Armamentはマルイ準拠な寸法であり、SHSでもブリッジの無い3枚歯や7枚歯はマルイ準拠な寸法。
ただし左右のレールがマルイ製より背が高く、レールを含めたピストン総幅は、
マルイ: 21.8 mm
ZC Leopard: 22.4 mm
と、ちょっと大きいので、左右のレールの間隔が狭いメカボに入れるとキツいかも。あとレールの背に成型時の湯口跡のようなくぼみがあって小さなバリが出てるので処理が必要。
ラックギアは SHS と同じように簡単にスッポ抜けるから接着剤での固定が必須。30分硬化タイプのエポキシ接着剤が落ち着いて作業できるのでお勧め。瞬間接着剤は衝撃で簡単に剥がれるのでこういう場所に使っちゃダメ。
内側は12角形とちょっと特殊だけど、マルイ純正のような太めのスプリングでも問題なく入った。(マルイ、PDI:外径15.0mm、SHS:14.4mm)
スプリングが引っ掛かったりしないように、穴の縁をテーパー状に削っておきます。
仮組みでピストンヘッド当ててみると接合部分に隙間が。
どうも端面の成型精度はいまひとつのようです。(ヘッドのところの白いモヤはカメラのレンズの汚れw)
このまま組むとピストンヘッド外れやピスクラの原因になり兼ねないのでツライチになるように研磨します。ついでにヘッドの固定穴も面取りして逃がしを作ります。
外周部分が少し高かったようです。金属レールの端部も完全な垂直じゃなく、若干鈍角になっててピストンの端面から飛び出し気味だったので一緒に調整しました。(焼結金属硬えー)
次にこっち。
販売とパッケージは Dream Army だけど、どう見てもSHS と一緒。ついでに値段もほぼ一緒。
ネジがナベ頭なのにネジ穴の底面がテーパーというチグハグさ。こういう部分がやっぱり中華。ピストンヘッドが外れてピスクラしたって話はこういうのが原因じゃないのかな。
形が合ってないから皿ネジに交換しようとしたけど、市販の皿ネジじゃ傘が大きすぎて穴の中に納まらなかった。解決案が思い浮かばないのでとりあえずここは放置で。
それから後方吸気なのに吸気穴小さすぎ。
穴径はだいたい 1.0 mm。計算すると吸気が追い付かなくて 2/3 くらいをノズルから吸うことになります。でもそれじゃ後方吸気ヘッドの意味が無いので穴を拡大します。
計算上、穴径が 1.7 mm 以上あればノズルからの吸気を必要としなくなるので、ちょっと余裕を見て(手持ちのドリルの関係も) 2.0 mm まで拡大します。
接合面にネジ止め剤を塗ってピストンと合体させます。
接着剤の方が効果的だけど、後で外せなくなるのも困るのでこっちで。
できたー!
ピストンとヘッドの組み合わせで重量はこんな感じです。
【マルイ純正】
ピストン 13 g
ピストンヘッド 3 g
錘 7 g 合計 23g
【ZC Leopard / Dream Army】
ピストン 16 g
ピストンヘッド 7 g
ベアリング 5 g 合計 28g
これで 5g の増加になります。もうちょっと増やしてみたいけど、これでもだいたい2割アップしてるので、メカボへのダメージを考えたらこのへんで止めておく方が無難だと思う。海外製とかの強化メカボなら遠慮なく盛れるんだけどね。
仮組みではキツイとか動きが渋いとかは特にありませんでした。ピストンのレールの背が高いのでちょっと心配でしたが、マルイ製メカボでは全然余裕があってスカスカ。もっともこの余裕のせいでピストンが暴れるという見方もできるけど。
ただ、ヘッドのパッキンの径が大きいのか、指でピストンを前進させるとやや抵抗感があります。海外では M150 とかのバカ強いスプリングを普通に使用するので、このくらいじゃないとエア漏れするのかも。少し撃ち込んで摩耗してくれば丁度良くなるかなぁ。
ちなみにグリスはヘッド周りはAZ シリコングリス、ラックギヤは金属なのでタミヤ モリブデングリスを使ってます。
初速計測の結果はこんな感じ。
使用BB弾: 東京マルイ PERFECT HIT ベアリング研磨 0.2g
ホップ量: 50% (ダイヤル中央)
初速 10発平均: 72.54 m/s ( 0.53 J )
最高初速: 72.90 m/s
最低初速: 72.32 m/s
バラ付き: 0.58 m/s
あっるえええぇぇ???下がってるよ・・・
予想だとヘビーウエイトピストンが圧縮エアを押し切って微増だと思ったんだけどなぁ。
ホップ量を変えるとこんな感じ。
ホップ なし 70.83 m/s ( 0.50 J )
ホップ 50% 72.54 m/s ( 0.53 J )
ホップ 100% 72.34 m/s ( 0.52 J )
今回は全体的に 3~4 m/s くらいと、大きく下がってしまいました。(泣
しかもホップ無しと50%はまだしも、100%に至ってはもう流速チューンの効果が無くなってます。
考えられる原因としては、
1.ピストンヘッドのパッキンが馴染んでなくて滑りが渋い
2.ピストンヘッドのパッキンの径が大きくて抵抗が大きい
3.ピストン重量にスプリングが負けてピストンスピードが乗らない
こんなとこかと。(まあ3. だろうな)やっぱり最初にスプリング交換するべきだったなぁ。つーかフルシリンダーもノズル絞りも強スプリング前提だもん、そりゃそうだよな。
そんな中、唯一の救いは初速が鬼安定しているのが健在なところ。
この分ならスプリング強化しても安定した初速が期待できそう。
ここまで色々やってみて改めてマルイ純正のバランスの良さを思い知らされた。実射性能はなにも初速ばかりじゃないけど、あのスプリングでよくもまああれだけの初速を叩き出せるもんだ。